お葬式はコメディ?
太宰治の小説「人間失格」のなかにこんな一節があります。
死は?」
「コメ。牧師も和尚(おしょう)も然りじゃね」
「大出来。そうして、生はトラだなあ」
高尚(と本人たちが思っている)な言葉遊び。ある言葉が、コメ(喜劇名詞=コメディのコメ)かトラ(悲劇名詞=トラジディのトラ)かを当てるというものです。
小説が超メジャーなので、このやり取りもご存知のかたもけっこういるかも知れません。
死は確かに悲しいものですし、永遠の別れになるので普通はトラ(悲劇)かと思われがちなところを、コメ(喜劇)と。
しかも返しは大出来。。
(先日行った落語の繁昌亭。「死神」という演目はコメディそのもの)
たしかにお笑いでもお葬式ネタといえば鉄板中の鉄板。
あの笑ってはいけない雰囲気を笑わずにはいられません。
(ちなみに私はカトちゃんケンちゃんのお葬式ネタが記憶に残る一番古いものです)
不謹慎といえばその通りなのですが、たしかに面白いですものね。
どちらにせよすべての人が避けて通れない道なのであれば、コメディにして笑い飛ばしてしまうほうが、きっとこころも健康的になれます。
亡くなられた方も、親戚とか友人が集まって、悲しい悲しい雰囲気より、ちょっと泣いたあとは楽しく話しているほうがすっきりするのではないでしょうか。
それにつづく相続もコメディ
その後の相続についてのやり取りも、コメディといっても良いかも知れません。
相続人たちの、今まで抑圧されてきた感情が一気に噴出し、どろどろした人間模様が浮き彫りになることがあります。
そこにも笑ってはいけない雰囲気がありますね。
とはいえ、争族で揉めている間、当事者たちは地獄です。
ただ、傍から見ればお笑いものになっているかもしれない、ということは認識しておくべきかと。
それってものすごくイヤですよね。
争族で疲弊してるのに、傍から見てもお笑いものだなんて。
だからこそ、遺言書をきっちりと残しておくことが大事なんだと思います。
遺言書については、こちらも読んでみて下さい。
お仕事で悲しい感じを出さないようにしています
とはいえ、コメディで仕事をしているわけではございません。
すべて一期一会の真剣勝負でお仕事をさせていただいております。
初回ご面談時にお仏壇があれば、必ず手を合わさせていただくようにしております。
ただ、相続税を扱うからといって、変に堅苦しい感じで悲しさ感じてますアピールはしておりません。
相続税のお客様の場合、だいたいが四九日が過ぎてからのご依頼が多く、悲しさで溢れている、ということも少ないと感じています。
もちろん悲しいに決まってますし、税理士の前だから気丈に振舞われていることもあるでしょう。
ですがそれでも、相続に向き合うということは、未来に向けての建設的なご相談ということなのだと思います。
なにやらよく分からないブログ記事になってしまいました。。
「よく分かる!」とやさしい知人・友人・親戚の間で話題の相続の記事はこちら
【遺産相続冒険譚】ティティの奇妙な冒険 ~ダイヤモンドは相続財産~