こんにちは。大阪梅田の税理士・公認会計士の塚本です。
2020年の路線価が国税庁より発表されました。
路線価というのは、道路につけられた値段のこと。その路線に面している土地の相続税評価の基準になる大事な指標になります。
世の中の経済実態などを反映して値段が決められており、年1回更新されます。
ということは新型コロナウイルスによる影響も受けているのでしょうか。
ところが今回発表された令和2年の路線価にコロナ禍の影響は織り込まれていません。
なぜなら路線価は毎年1月1日時点を評価時点としているためです。
今年の路線価は特に実態とはかけ離れたものとなっていると言えるでしょう。
時価と路線価との乖離が大きい場合の救済策も検討されているようです。
今後、国土交通省が発表する都道府県地価調査(7月1日時点の地価を例年9月頃に公開)の状況などにより、広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合などには、納税者の皆様の申告の便宜を図る方法を幅広く検討いたします。 <大阪国税局HPより>
では、昨年と同じように阪神間の主要都市部について見ていきましょう。
阪神間の主要都市部の路線価を確認
大阪梅田の事務所周辺 最高2,160万円 前年比35%UP!
大阪梅田の阪急百貨店前の道路が、
前年1,600万円 → 2,160万円(560万円増、前年35%UP)
となりました。
路線価は平米単価です。
ここに100㎡(約30坪)の土地をその路線前に持っているとすると、それだけで2,160万円×100㎡=21億円の財産を持っているということになります。
梅田中央(塚本晃行)税理士事務所前の道も、
前年 896万円 → 1,080万円(184万円増、20.5%UP)
となっております。
詳しくは書けませんが、先日、事務所家賃の改定交渉がありました。
入居時が場所の割に安すぎたからか、結構な値上げになりました。
とはいえコロナ禍の影響からか、思っていたよりも小幅な増加で済みましたが。。。
神戸三宮の周辺 最高576万円 前年比17%UP!
神戸市三宮町1丁目、三宮センター街の入り口付近ですが、
前年 490万円 → 576万円(86万円増、17.6%UP)
となっております。
神戸は大阪に比べてインバウンドの影響を受けにくいとはいえ、コロナによるダメージは深刻なものがあります。
実際の感覚値との乖離が大きいですね。
高級住宅街 JP芦屋駅前 最高84万円 前年比5.6%UP
JR芦屋駅前の北側道路が、
前年 76万円 → 84万円(8万円増、10.5%UP)
となっております。
住宅街はほとんど影響なし。売買実例が少ないため、コロナ禍の影響も組み込まれず。
私の自宅前(西宮市某所、駅から自転車10分くらい)も調べてみました。
前年 13万円 → 13万円
変動なし。
ついでに、私の実家前(神戸市某所)も調べました。
前年 15.5万円 →15.5万円
変動なし。
住宅地においては、周辺の取引事例が活発にでもならない限りは、そうそう変動しません。
要するに売りたいけど買い手がおらず売れないような状態であっても、路線価は据え置かれたままということです。
そのため、実態との乖離は大きくなる一方だといえますね。
コロナ禍の影響の救済策はいつでるのか?
今後、国土交通省が発表する都道府県地価調査(7月1日時点の地価を例年9月頃に公開)の状況などにより、広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合などには、納税者の皆様の申告の便宜を図る方法を幅広く検討いたします。 <大阪国税局HPより>
今後、不動産の売買が活況になるとは考えにくく、売買価格も下がっていくことが予想されます。
地価調査の状況は9月頃に公開されるので、それ以後に何らかの調整率が提示されるのでは無いかと考えております。
昨年の令和元年台風19号(2019年10月)の被害に対して、国税庁から調整率表が発表されたのが約5か月後の2020年2月26日でした。
同じくらい時間が掛かるとすると2021年1月ごろには何らかの発表があるかも知れません。
提出済の申告書であっても払い過ぎていた税金があった場合は、更正の請求が出来る可能性もありますので注視していたいと思います。