暦年贈与で何をあげるか?【お金だけじゃない】

「暦年贈与」という制度があります。

  • 1月1日から12月31日までの1年間で
  • もらった人ごとに計算
  • 110万円までなら税金掛からない
  • 超えた分につき贈与税の支払いと確定申告

というものです。

 

資産家のかたであれば家族への愛情や日ごろの感謝、相続対策でお金を子どもや孫に渡すことも多いでしょう。

ここで、たまに勘違いされることがあるのですが、

暦年贈与であげるものはなにも「お金」でないといけない訳ではありません

不動産、株式、国債、車など何でもOKです。

 

すこしマニアックですが、法人への貸付債権の放棄にともなう株価上昇分という経済的利益も贈与の対象になります。

 

暦年贈与でなにをあげるか?

現金かそれ以外か?

まずは自分の財産の棚卸しをしてみましょう。

自分の財産に占める「現金の割合が高く」、かつ「潤沢に」あるのであれば、現金での贈与が良いでしょう。

貰う人も嬉しいものです。

「現金の割合が高く」とは、余裕をもって相続税を支払えるかどうか、を目安に考えます。

「潤沢に」とは、自分と配偶者の生活の質が満足できる水準を維持できるかどうか、を目安に考えます。

 

そうでなければ現金以外の財産、自宅や他の不動産、株式などで贈与できるものは無いかを検討することになります。

 

将来値上がりが見込めるものが良い

相続税対策の観点で考える場合は、将来値上がりが見込める財産があれば、生前に贈与を検討しましょう。保有し続けていれば、値上がりによって相続財産が増えてしまうためです。

 

  • 上場予定の株式
  • 開発計画のある地域の不動産

 

ただこのご時勢で、高い確率で将来の値上がりが望めるものは少ないかも知れません。

逆の発想で値下がりする可能性が低い財産を優先的に考えても良いでしょう。

 

そうなると結局「お金」に行き着くことも多いのですが。。

 

果実(収益)を生む財産が良い

保有することで果実が得られるものといえば、

  • 賃貸不動産(家賃収入)
  • 上場株式、投資信託(配当)

があります。

生前の収益を子どもの世代に移転させることは、自分の相続財産の増加を抑えつつ、子どもたちも相続税の納税資金として使えるので一石二鳥です。

ただし不動産を贈与する場合には、不動産取得税や登録免許税、登記の司法書士費用など他の諸費用が掛かりますので有利不利をしっかり判定するようにしましょう。

相続による取得であれば不動産取得税はゼロ、登録免許税も贈与時の1/5と優遇されているためです。

 

上場株式についても、毎年贈与を検討される場合には注意が必要です。

生前贈与の落とし穴。特定口座の株式贈与の注意点。

 

どのようにあげるか?

ポイントは2つ

  • 長い期間で(10年計画など)
  • 多くのひとに(子・孫まで)

です。

相続対策を考えるうえで、上記2つを守りながら贈与を行うことはとても大きな効果をもたらします。

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注意点

贈与の客観的証拠をのこす

贈与は、あげるひとともらうひとの双方の合意があって成立します。

税務署はここに着目して実質的に贈与があったかどうか、について問題視してくることが多くあります。

そのため、誰の目から見ても明らかになるような証拠を残しておくことが重要になります。

この点、不動産や株式などの贈与の場合はあまり気にしなくても大丈夫です。

贈与する際に法務局や証券会社に対して贈与契約書などを提出する必要があり、その時点ですでに証拠は揃うことになります。

 

 

贈与税の税金分のお金も一緒にわたす

贈与する財産が土地や株式であっても、贈与税は「お金」で納付するのが原則です。物納はありません

そのため贈与税を支払えるだけのお金も一緒に渡してあげるようにすることも大事です。

 

(お金以外)評価額の算定が必要

お金であれば、贈与した金額がそのまま贈与税の計算の金額と一致します。

お金以外のものであれば、その評価額の算定作業が必要になります。

 

非上場の株式や不整形な土地の評価などは特に専門性を問われることになり、その評価は難しくなります。

 

 

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この記事を書いたひと

塚本 晃行(つかもと てるゆき)
塚本 晃行(つかもと てるゆき)公認会計士・税理士
三木市出身、神戸市育ち、西宮市在住の兵庫っ子。
1980年生まれ。
大阪梅田で相続税申告・対策メインの税理士・公認会計士のお仕事をしてます。