庭に土偶や古墳が?「埋蔵文化財」の相続税評価を解説

こんにちは。

大阪梅田で相続税を専門にしている税理士の塚本です。

 

今回は、文化的な出土品として昔の磁器や土偶などが埋まっている土地について解説します。

これらの土地のことを「埋蔵文化財包蔵地(まいぞうぶんかざいほうぞうち)」といいます。

埋蔵文化財があることが知られている土地のことを「周知の埋蔵文化財包蔵地」といい、全国で約46万箇所、毎年9千件程度の発掘調査が行われているそうです。(文化庁HPより)

 

 

漫画マスターキートンの世界であればロマン溢れる素敵なものですが、実際に自宅の庭から出てくれば、正直、迷惑なものかもしれません。

 

 

その相続税評価のポイントは以下になります。

 

  • 明文規定なし⇒原則として時価評価
  • 発掘にかかる所有者負担のお金80%分マイナスは認められる

 

 

明文の規定はなし

埋蔵文化財包蔵地にたいし、相続税法および財産評価基本通達に明確なルールが定められているわけではありません。

 

そのため、原則として「時価」ということになります。

 

で、その土地の時価をめぐり争われた裁決事例から、評価のマイナスが認められる範囲の目安が示されました。

 

 

 

いくらマイナス出来るのか?

すでに書いてますが、

発掘費用の見積額の80%分は土地評価からマイナス出来ます。

土壌汚染土地の浄化改善費用の減額が見積額×80%であるため、その規定と類似するとして同じようにマイナスが認められました。

土壌汚染物質と文化財が、類似の取扱いだなんて失礼な話ですが、所有者の心情的にも同じようなものなのかも知れません。。

 

■具体例

土地の評価額     1億円

発掘費用の見積り 5,000万円

所有者が負担するものとする

 

相続税評価額

1億円 ー (5,000万円×80%) =6,000万円

 

 

発掘費用はだれが負担するのか?

 

通常、埋蔵文化財包蔵地に該たる場所の開発行為を行うまえには、発掘調査が必要になります。

 

発掘調査には、長い期間とお金が必要になります。

この発掘調査にかかるお金は、文化財保護法の規定により、原則、土地の所有者が負担することになります。

 

実際、その土地の所有者が発掘調査をはじめなくても、土地を売ろうと思った時には、買手側は発掘調査費用のことを考えて、その分低く評価します。

 

この要因から土地所有者にとって、自宅から埋蔵文化財が出てくれば、非常に残念な話ですが、価値が下がることになります。

 

一方で、行政側が国庫補助金などで公費負担することもあります。

その場合、所有者は費用負担することが無いのでマイナス評価は出来ません。

 

発掘作業なし、発掘作業しても所有者(事業者)に費用負担なし、の場合はマイナス出来ない

 

埋蔵文化財包蔵地であったとしても、発掘作業に入らなければ、評価のマイナスは出来ません。

 

また、発掘作業をしたとしても、その費用を行政が負担するのであれば、評価のマイナスは出来ません。

 

その土地を所有者から購入予定の不動産デベロッパーが費用負担をする場合でも、その発掘作業費用を織り込んでの売買価格(発掘費用分値引きされる)になるはずですので、その場合は結局所有者が負担していることになります。

 

あくまでも、発掘作業に入ること、費用見積りがあること、費用負担者が明確であること、の条件が揃ってのマイナス評価になります。

 

大阪・神戸・京都などの都市部ではインターネットでどこにあるか確認できる

 

都市圏では、インターネット上で文化財埋蔵地の地図などが見れる地図があります。

現地・役所に行かずとも、ある程度土地の状況が把握可能です。

 

参考までに主だった地域のリンクになります。

 

大阪府全域

大阪府 埋蔵文化財包蔵地分布図(大阪府地図情報システム)

神戸市

神戸市の遺跡文化財

西宮市

にしのみや 史跡・天然記念物・遺跡分布地図

芦屋市

埋蔵文化財包蔵地検索 (PDF)

京都府

京都府・市町村共同 統合型地図情報システム(GIS)

 

 


 

 

家にお地蔵様がある場合など「庭内神し」についての解説はこちら。

家にお地蔵様や祠が?「庭内神し」の相続税評価を解説

「庭内神し」は信仰の対象となっているため、土地部分も相続税が非課税となっていました。

一方、文化財はそうでは無く、あまつさえ土地の土壌汚染と類似と捉えられての評価減に留まるあたり、税金の世界は厳しいです。

 

 

 

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