私の税理士としてのお仕事は相続税「専門」です。
ですが、税理士としてのスタンスとしては、あくまでも相続税に「強い」税理士でありたいと思っております。
相続税に軸足は置いており、実際に新規のお客様は相続税の申告や対策のかたのみです。
一方で既存のお客様には会社顧問や個人の確定申告のかたもいらっしゃいます。
それはなぜか。
ひと言で言いますと、相続にまつわる問題は相続税の申告だけでは解決しない、という理由からです。
税理士事務所のHPなどで相続税を「専門」にしている事を売りにしている所があります。
よく医者の話で例えられてますよね。
風邪を引いたのに外科に行きますか?や、足をケガをしたのに耳鼻科に行きますか?といった話で、相続税にお困りなのに、法人税に強い税理士さんに頼んで大丈夫でしょうか、という理屈です。
税金の範囲も広く複雑ですので、専門の医者(相続税専門税理士)に係る方が良いだろう、となるわけです。
それはそれで素晴らしく理にかなっていると思います。
ただしそれでも相続にまつわる諸問題を考えますと、もう少し広くカバーする方が良いのではないかと思います。
被相続人の準確定申告があれば所得税の知識が必須です。相続人が引継いだ不動産を売却するとなれば譲渡所得税の知識が、会社を引継げば法人税の知識もやはり必要になります。
生前の相続対策であれば、主にお客様が会社経営者であることも多く、一般的な節税策の他に、相続財産を減らすための知識や、法人個人間で不動産を売買するシミュレーションを行う際にも、様々な税金を考慮しなければなりません。
相続税を「専門」だと言い切ってしまうことによって、これらの関連する税金に関しての対応がなおざりになってしまう可能性があると考えます。
そのため、私は相続税「専門」なんですが、あくまでも相続税に「強い」税理士でありたいと思っております。
相続税に軸足は置いていますが、会社顧問のお客様も個人の確定申告のお客様もいらっしゃることで、法人税や所得税の知識についても、切り捨てることの無い様に心掛けております。
そうすることが、相続に関してお困りの方の手助けに繫がると考えているからです。